砂礫王国
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という返事であった。 だからこの時も姫草看護婦に対する疑いを、普通一般の嫉と混同するような気は毛頭起らなかった。また彼女の変痴気趣味が出たなぐらいにしか考えなかったが、それでも、そうした彼女の姫草ユリ子に対する疑いが、何かしら容易ならぬ大事件になりそうな予感だけはハッキリと感じたから、念には念を入れるつもりで私は、彼女の考えを一応、検討してみる気になった。 だが今は十年後の都政を考えている場合ではない。命と同じくらい大切な弟が、よりによって異界の地で行方ゆくえ不明なのだ。聞けばそこは空飛ぶ骸骨がいこつや、意思伝達をしあう骸骨までもいる恐おそろしい場所らしい。そんな骸骨アイランド・・・いや恐ろしい世界に、大事なゆーちゃんを置いておけるものか。関連項目:乙嫁語り