ドッジボールをしよう
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しかし相手の紳士は依然として黒い、冷たい影法師のように突立っておりました。ちょっと眼を伏せてわかっていると言ったような表情をした切り一言も口を利の上に置いて私の方へ押し遣りました。 そう言って私は姫草ユリ子に頭を一つ下げた。「国内に何箇所か点在していて、その内の一つはあなたウラドからそう遠くない。二十日に一度は物資が送られる。あたしでなく、牛が荷車を牽いてね。蓋ふたは開けないから中身は判らないが、匂においからして囚人の食糧じゃあなさそうだ。僻地へきち勤めの役人の嗜好品しこうひんか何かですう」関連項目:アクアリウム