太っちょ釣師大磯太郎
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と即答をしましたが、その刹にはソンナ気振も見せないようにして、平凡な開業医らしいトボケ方をしておりました。姫草ユリ子の行方を知っていないでよかった。知っていると言ったら直ぐに付け込まれて脅迫されるところであったろうと腹の中で思いながら。 相手は静かに私の瞳を凝視した。いかにも悪党らしい冷やかな笑い方をした。 心の中の言葉を読まれたのかと、思わず足が止まってしまった。けれどそれはおれの口から発せられたのではなく、ロミを見失わないように前を向いたままの相棒が、平素と変わらぬ口調で言ったのだ。関連項目:H2