わたなべまさこ
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これだけの問答で私等は彼女を採用する決心をしてしまった。私ばかりじゃない。妻も姉も、彼女の無邪気な、鳩のような態度と、澄んだ、清らかな茶色の瞳と、路傍にタタキ付けられて救いを求めている小鳥のような彼女のイジラシイ態度バスケット一つを提から吸い付けられてしまっていた。 それにしても渺れて行くと同時に、彼女自身の運命までも葬らなければならぬほどの深刻な窮地に陥れて行くべく余儀なくされた、そのソモソモの動機は何処に在るのでしょうか。 思えば子供の頃ころから弟を助けるのはいつも俺の役目だった。洋式便器の便座を下ろし忘れて座ってしまい、すっぽり墳はまって泣き叫さけぶ有利主人公を救出したのは、親父でもお袋ふくろでもなくこの俺だ。今頃きっと弟は、見知らぬ土地で心細さのあまり「おにーちゃん、おにーちゃん」と泣いているに違いない。関連項目:蒼のマハラジャ