天才バカボン
- 人気漫画
彼女の郷里は青森県の酒造家で、裕福な家らしく聞いていたが、その後の彼女の朗らかな性格や、無邪気な態度を透して、そうした事実を私等は毛頭疑わなかった。 彼女の持って生まれた魅力は事実、男女、老幼を超越したものがあった。この点では私の家族たちも唯一言と評するよりほかに批評の言葉を発見し得ないくらい、彼女の手腕に敬服していた。 その瞬間しゅんかんおれの中には、十六にもなった野郎やろうに言う台詞せりふじゃないですうとか、城の連中にも囁ささやかれてるけど、あんたとギュンターは過保護すぎるとか、幾いくらでも言い返す言葉があった。けれど結局は何一つ口答えできずに、ただ在り来たりの短い返事を繰くり返しただけだった。関連項目:寄生獣