大いなる逃亡
- 人気漫画
と思わず口を辷らしたが、恐らくそれが図星だったのであろう。樽の縄を始末していた彼女は、ただ赤面した切りでコソコソと病院に逃げ帰ったようであった。 彼女の郷里は青森県の酒造家で、裕福な家らしく聞いていたが、その後の彼女の朗らかな性格や、無邪気な態度を透して、そうした事実を私等は毛頭疑わなかった。 お庭番は呑気のんきにも、貰った食べ物を咀嚼そしゃくしている。英語が理解できず退屈しているにしても、ちょっと意地いじ汚きたないぞ相棒。逃避とうひしかける神経を、無理やりベネラの話に戻す。関連項目:いとしのエリー