うそカノ
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白い封筒の中味はありふれた便いもない姫草ユリ子のペン字で、処々汚なくにじんだり、奇妙に震えたりしているのが何となく無気味でした。 彼女の持って生まれた魅力は事実、男女、老幼を超越したものがあった。この点では私の家族たちも唯一言と評するよりほかに批評の言葉を発見し得ないくらい、彼女の手腕に敬服していた。 彼女の言葉を信じるならば、余裕よゆうで百二十歳は過ぎているそうだ。ご婦人に年齢ねんれいを訊きくのは失礼とか、そういうレベルを超こえている。とはいえ外見は七十そこそこだから、魔族の歳としの取り方とも異なっていた。関連項目:あばれ花組