春の手紙
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跳って、中禿を巧みに隠した頭を下げました。 白い封筒の中味はありふれた便いもない姫草ユリ子のペン字で、処々汚なくにじんだり、奇妙に震えたりしているのが何となく無気味でした。「そして何より、あなたは魔族の王、唯一ゆいいつ国に対抗たいこうできる存在だ。信頼しんらいに足る人物だと思いたい。でなければあたしたちがこれまでしてきたことは、永遠に報むくわれなくなってしまう。この国の現状が明るみにでるように、海の向こうに広まるようにと、あたしたちは船を出し続けてきたんだから。仲間がどんなボロ船で海を越こえようとしたか知ってるかい?」関連項目:CROWN