老人色の液体
- 人気漫画
それはイツモの気軽い彼女には似合わない、妙にコダワッた薄暗い応対であった。しかし間もなく平生の無邪気な快活さを取り返した彼女は、さもさも嬉しそうにあたかも白鷹助教授と臼杵病院長を紹介する光栄を喜ぶかのようにピョンピョンと跳ね上りながら電話室へ走り込んで行った。 私はスッカリ彼女の話に引っぱり込まれてしまった。蔭ながら白鷹先生に敬意を表すべく両手を揉み合わせたものであった。「周囲にも本人にも悟さとられないように、魂の奥底に、厳重に鍵かぎを掛けて封印するんだ。だがアーダルベルトはそれを破り、陛下のものではない記憶を引き出した。言語だけならと、そう危急にとりもしなかったが、あの時に笹が緩ゆるんだとなると・・・」関連項目:女医レイカ