喰顔鬼
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彼女の郷里は青森県の酒造家で、裕福な家らしく聞いていたが、その後の彼女の朗らかな性格や、無邪気な態度を透して、そうした事実を私等は毛頭疑わなかった。 彼女の持って生まれた魅力は事実、男女、老幼を超越したものがあった。この点では私の家族たちも唯一言と評するよりほかに批評の言葉を発見し得ないくらい、彼女の手腕に敬服していた。 ロミがおれに人差し指を向けた途端とたんに、それまで口を噤つぐんだきりだった相棒が短く言った。聖砂国では通じるはずのない共通語だったが、威嚇いかくには充分じゅうぶんだったらしい。彼女はすぐに手を下ろし、発言者の顔をじっと見た。関連項目:ANGELIC LAYER