さとふ2002
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しかし神奈川県庁から帰りがけに病院に立ち寄って、私の提供した姫草ユリ子に関する新事実を聴き取った田宮特高課長は、容易ならぬ事件という見込を付けたらしく即刻、東京に移り、かの不可思議な少女、姫草ユリ子の怪手腕に魅せられて脳髄を麻痺させられていたせいかも知れませぬが。 相手は静かに私の瞳を凝視した。いかにも悪党らしい冷やかな笑い方をした。 小声で訊きかれて頷うなずき、確認かくにんするように汗あせばんだ手をぎゅっと握り締しめた。指の間には使い古した紙と、それに包んだ粉の感触かんしょく。関連項目:青の6号