僕たちがやりました
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といううちに給仕は右手の扉を押して会場に入った。トタンにジャズの音響が急に大きく高まって、会場の内部がチラリと見えたが、その盛況を見ると私はアット驚いた。 という返事であった。 ファーストクラス専用ラウンジで運悪く出会ってしまった漫画王を、日本人お得意の技わざで接待しておいてくれとボブに頼たのまれたのは、ほんの数時間前だった。そんなことしてられっかと突つっぱねて、アビゲイルを一人でチェックインさせようとしたのだが、本人に全くその気がなかったらしい。ホテルのフロントまで連れて行っても、ニコニコとこちらを窺うかがうばかりだ。朱しゅに近い赤に金糸で魚の刺繍ししゅうという、今どき夫婦めおと漫才師まんざいしでも着ないような着物姿のチアリーダーを連れて、勝利はやむなく夜の街を彷徨さまよった。関連項目:艶華の花道