優しい少女
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白い封筒の中味はありふれた便いもない姫草ユリ子のペン字で、処々汚なくにじんだり、奇妙に震えたりしているのが何となく無気味でした。 と即答をしましたが、その刹にはソンナ気振も見せないようにして、平凡な開業医らしいトボケ方をしておりました。姫草ユリ子の行方を知っていないでよかった。知っていると言ったら直ぐに付け込まれて脅迫されるところであったろうと腹の中で思いながら。「百五十年近く生きてきたが、まさか自分が毒女の毒牙どくがにかかるとは思わなかったぜ! オレだけは大丈夫と思っていたのに」関連項目:こちら葛飾区亀有公園前派出所