性魔伝説
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私はそうした彼女の顔立をタッタ一目見た瞬間に、彼女の小鼻に隆鼻術をやって見たくなったのであった。これくらいのパラフィンをあそこに注射すれば、これくらいの鼻にはなる。彼女の小鼻は鼻骨と密着していない、きわめて手術のし易いタチの小鼻であると思った。こうした一種の職業意識から来た愚かな魅惑が、彼女を雇い入れる決心をした私の心理の底に動いていた事も否定出来ない事実であった。 けれどもその時の私等はそうした軽率さを微塵も感じなかった。彼女の容姿と言葉付の吸い寄せるようなあどけなさが、彼女の周囲を渦巻きめぐっているであろう幾多の現実的な危険さに対する私等のアラユル常識を喚る日、「国から一歩も外へ出ず、終生良き市民でいさえすればね。でも、外海帰りはそう簡単にはいかない。何も知らなければ今の体制に疑問も抱いだかず、神と支配者に忠誠を誓っていられるですう。だが、一度外の世界を知ってしまえば、ここの異常さに気付かずにはいられない。そうなると単なる奴隷より面倒めんどうだ」関連項目:黒執事