香港黙示録1997界限街
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それはイツモの気軽い彼女には似合わない、妙にコダワッた薄暗い応対であった。しかし間もなく平生の無邪気な快活さを取り返した彼女は、さもさも嬉しそうにあたかも白鷹助教授と臼杵病院長を紹介する光栄を喜ぶかのようにピョンピョンと跳ね上りながら電話室へ走り込んで行った。 私はスッカリ彼女の話に引っぱり込まれてしまった。蔭ながら白鷹先生に敬意を表すべく両手を揉み合わせたものであった。 割烹着かっぽうぎを着たおばちゃんそのものの仕種で、グリ江ちゃんはおれの口に黄色い塊かたまりを突つっ込んだ。チーズとヨーグルトの中間の味がする。それから伯爵きょうに向かって、牽制けんせいするみたいに言った。関連項目:月紅 GEKKOH