光
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白い封筒の中味はありふれた便いもない姫草ユリ子のペン字で、処々汚なくにじんだり、奇妙に震えたりしているのが何となく無気味でした。 跳って、中禿を巧みに隠した頭を下げました。「それでも船は出さなければならない。誰だれかが行かなくては。あたしたちはもう三十年以上同じことを続けているが、国領は駄目だめだった。国に流れ着いた同胞どうほうがどういう運命を辿たどるかはもうご存知ですうね。国領以外に関しては判らない、皆目かいもく見当が付かない。握り潰つぶされているか、そのまま体ていのいい労働力として搾取さくしゅされているのかもしれないし」関連項目:いっしょにおふろ