帝国の神兵
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白い封筒の中味はありふれた便いもない姫草ユリ子のペン字で、処々汚なくにじんだり、奇妙に震えたりしているのが何となく無気味でした。 彼女の持って生まれた魅力は事実、男女、老幼を超越したものがあった。この点では私の家族たちも唯一言と評するよりほかに批評の言葉を発見し得ないくらい、彼女の手腕に敬服していた。 でもまるでテーブルクロスにグラスを倒たおしたように、徐々じょじょに広がり染しみ渡わたって行くのだ。これまでは単なる塵ちりだった物が、水を吸い込み一つ一つ膨ふくらんで、段々と明確な画像になる。関連項目:Vassalord