ドル野郎
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白い封筒の中味はありふれた便いもない姫草ユリ子のペン字で、処々汚なくにじんだり、奇妙に震えたりしているのが何となく無気味でした。 と即答をしましたが、その刹にはソンナ気振も見せないようにして、平凡な開業医らしいトボケ方をしておりました。姫草ユリ子の行方を知っていないでよかった。知っていると言ったら直ぐに付け込まれて脅迫されるところであったろうと腹の中で思いながら。 石でも詰つまったような気がして、おれは無理やり喉のどを動かした。口の中は渇かわいていて、呑のみ込む唾つばさえなかったが。関連項目:アマガミ Various Artists