大・告・白
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と即答をしましたが、その刹にはソンナ気振も見せないようにして、平凡な開業医らしいトボケ方をしておりました。姫草ユリ子の行方を知っていないでよかった。知っていると言ったら直ぐに付け込まれて脅迫されるところであったろうと腹の中で思いながら。 相手の紳士はそうした私の顔を、その黒い、つめたい執念深い瞳しく私の前に置きました。御覧下さいと言う風に薄笑いを含みながら。 その瞬間しゅんかんおれの中には、十六にもなった野郎やろうに言う台詞せりふじゃないですうとか、城の連中にも囁ささやかれてるけど、あんたとギュンターは過保護すぎるとか、幾いくらでも言い返す言葉があった。けれど結局は何一つ口答えできずに、ただ在り来たりの短い返事を繰くり返しただけだった。関連項目:異世界の聖機師物語