はーとの証明
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跳って、中禿を巧みに隠した頭を下げました。 と即答をしましたが、その刹にはソンナ気振も見せないようにして、平凡な開業医らしいトボケ方をしておりました。姫草ユリ子の行方を知っていないでよかった。知っていると言ったら直ぐに付け込まれて脅迫されるところであったろうと腹の中で思いながら。 彼女は埃ほこりにまみれた白髪頭しらがあたまを振り、乾かわいた土の上に腰こしをおろした。不思議なことに座る姿に先程までの壮健さはなく、そこに居るのは疲れ切った小柄な老女だった。親指と人差し指を額に当てて、がっくりと項垂うなだれている。関連項目:海の闇、月の影