卒業 思い出につつまれて
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跳って、中禿を巧みに隠した頭を下げました。 白い封筒の中味はありふれた便いもない姫草ユリ子のペン字で、処々汚なくにじんだり、奇妙に震えたりしているのが何となく無気味でした。 そう言うと地面に紙を広げ、自分の膝ひざで右端みぎはしを押さえた。聖砂国全土を表す地図は、周囲を波のマークで囲まれた、巨大きょだいな帆立ほたての貝殻かいがらに見えた。本国作成のオリジナルマップにも拘かかわらず、やっぱり山地や平原の区別が暖昧あいまいだ。幾いくつかの山脈が記されているとはいえ、全体的に起伏きふくの少ない地形のようだ。関連項目:おとぎ奉り